第138章 簡単ではない

「もちろん、気にしてないよ」

来栖琴音は反射的にそう返した。返事が遅れたら、相手に「気にしてる」と思われそうで怖かったのだ。

何を気にする必要がある?

どうせ、友だち――ただそれだけ。

そう自分に言い聞かせる。

勝手に疑っても仕方ない。浅野琉生の言うとおり、それは自分をすり減らすだけ。

けれど、そんなふうに割り切れるのか。

「気にしてない」と口にした瞬間、本当に気にならなくなるわけじゃない。

目の前の、無邪気そうなこの女。

本当に、ただの従妹――それだけ?

「気にしないならよかった!」

森本千香はそう言って、メニューを来栖琴音の前へすっと差し出した。

「私の好きなもの...

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