第144章 情報

来栖琴音が顔を上げると、相手は二階にいた。琴音は慌てて足を進め、階段を上る。

こんな小さな食堂に、まさか二階に個室があるなんて。

高橋栄美に案内されて入った小部屋は、驚くほど上品な設えだった。窓も一つ切ってあり、路地に残る古い建物がいくつも見える。どこか懐かしくて、妙に味がある。

「座って。ここは私のほうが慣れてるから、店の看板を頼んでおいたの。あとで食べてみて。口に合うといいけど」

来栖琴音は食にこだわりがあるほうではない。相手の段取りに素直に満足しつつも、表情にはわずかな驚きが残った。

高橋栄美はそれを見抜いたように肩をすくめる。

「そんな顔しないでよ。別に私、大物でも何でも...

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