第159章 いったい誰が悔しい?

「そうよ。誰が『道路で話しちゃいけない』なんて決めたの?」

来栖琴音は胸を張って言い返し、怯むことなく相手の視線を真正面から受け止めた。

浅野琉生は本当に横暴だ。彼が電話してきたら、必ず出なきゃいけない理由なんてない。まして、私が誰と一緒にいようが、彼に口を出される筋合いは――。

「話? 何の話だ」

浅野琉生は胸の奥の怒りを押し殺し、声だけがいっそう冷えた。整った顔に無理やり笑みを貼りつける。

その笑いに、琴音の背筋がぞくりと粟立つ。理由もなく後ろめたさが湧き、口調が少しだけ弱くなった。

「仕事の話よ。彼、仕入れ先の件で出張が半月近く続いてたの。戻ってきたら、確認することも相談す...

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