第183章 酒を強要する

来栖琴音は冷えた目で、卓を囲む男たちの芝居がかったやり取りを眺めていた。

突然、井村博志がバンッと手のひらでテーブルを叩く。腹の底から響くような声で檜原さんを叱りつけた。

「お前のそのちっせぇ案件、よく恥ずかしげもなく持ち出せたな?」

檜原さんはびくりと肩を跳ねさせ、全身の毛が逆立つような顔で慌てて取り繕う。

「い、いや……前は存じ上げなくて……。でも今は分かりましたから! これからは大きい案件は必ず来栖社長を優先します!」

「それでいいんだよ」

井村博志が鋭い目で一瞥する。

今日の席の主役は来栖琴音のはずだった。なのに本人は終始、黙って聞いているだけ。場の空気を立てる気がない...

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