第214章 最初の客

来栖琴音は、浅野琉生が初めて自分を見たときの視線を、ふいに思い出した。

高松水月が、彼の言う「姉さん」なのか――そう問いただしたい。けれど言葉が喉元まで来て、どうしても口にできなかった。

その夜、琴音は両親も子どもも置いて、浅野琉生の腕の中に身を寄せたまま、二人で新しい年を迎えた。

翌日、家に戻っても両親は何も聞かなかった。

代わりに高橋栄美が、どんよりした顔で愚痴をこぼしてきた。昨夜、告白に失敗したのだという。

理由を尋ねると、三峰景臣に「今はまだ、個人的なことは考えたくない」と言われたらしい。

そんなの、断り文句に決まっている。経験のある大人なら誰だってわかる。

「それで諦...

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