第22章 感情崩壊

伊藤心優は来栖琴音の背後に立ったまま、淡々と彼女を見下ろしていた。声の調子も落ち着いている。まるで、琴音がここへ来た目的など最初からわかっていたかのように。

琴音は俯き、手の中の鍵束を二つ見つめる。

信じられない。こんな結末だなんて。

……合わない。まったく合わない。

川島治があれほど神経質になっていた鍵は、親友の家のものじゃなかった。そんなはずがある?

頭の中が真っ白になり、何ひとつ掴めない。整理もできない。

琴音は顔を上げ、心優と視線をぶつけた。腹を括り、目に鋭い光を宿す。

「伊藤心優、どういうつもり? あなたと川島治、いったいどんな関係なの。どうして二人で私を騙すの?」

...

ログインして続きを読む