第23章 証拠はあるのか?

来栖琴音はティッシュで涙をぬぐい、鋭く目を吊り上げた。

「……あいつ、私を裏切ったんだよ。絶対に代償を払わせる」

「本当に、もうその男に見切りをつけたの?」

伊藤心優は、まっすぐに踏み込んできた。

来栖琴音のことはよく知っている。あれほど川島治を愛して、周囲に反対されてもなお一緒になる道を選んだのだ。だからこそ、裏切られた今、彼女が治を許すつもりなのか、それとも完全に切り捨てるつもりなのか――そこは何より大事だった。

来栖琴音は赤く腫れた目を親友へ向け、きっぱりと言い切った。

「裏切りを知った、その瞬間に全部終わった。これからは、月乃と自分のためだけに生きる」

伊藤心優はほっと...

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