第33章 詰問

伊藤心優がきっぱりと言い放った。

「川島千晶よ」

来栖琴音は一瞬、目を見開いてから鼻で笑った。

「川島治、本当にやることが汚いわね。また妹を盾にしたってわけ」

「このクズ男、用心深すぎる。家から女に辿れると思ったのに、これでまた手がかりが切れたじゃない」

「となると……野村さんから崩すしかないわね!」

伊藤心優は眉を寄せ、ぼやく。

「川島治の秘書って、本人と同じくらい狡猾だよ。こっちも何日も張り付いたのに、何も出てこなかった」

来栖琴音はふん、と短く息を吐いた。

「奥さんが妊娠中なんでしょ。子どものために、いまは一時的に大人しくしてるだけ。だから尻尾を掴めないのよ」

「…...

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