第59章 会食

席に着くなり、来栖琴音は川島治の前で遠慮もなく持ち上げた。

「この高橋さんって、本当に雰囲気が独特な美人ね。上品で頭も良さそうだし……男の人の『理想』って感じ」

川島治はさらりと返す。

「出来すぎた女は、だいたい計算高い。俺は琴音みたいなのが好きだよ。気が利いてて、ちゃんと場もわかってる」

来栖琴音はわざと頬をふくらませる。

「それ、私が主婦向きって言ってるだけに聞こえるんだけど?」

「違う違う。琴音が何してても、旦那さんは大好きだよ」

甘い声で取り入ったあと、川島治はふと思い出したように訊いた。

「そういえば琴音、昨日の夜、家で飲んでたの?」

来栖琴音は首を横に振り、つん...

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