第67章 主人公登場

翌朝。

来栖琴音は、けたたましい着信音に叩き起こされた。

ぼんやりしたまま枕元を探り、スマホを掴んで通話ボタンを押す。耳に飛び込んできたのは、伊藤心優の弾んだ声だった。

「起きて起きて! 大事件だよ! 現行で人も証拠も押さえた! 現場、修羅場すぎて!」

その言い方に、来栖琴音は思わず口元をゆるめる。

「……想定内じゃない?」

「だよね」心優は即座に同意し、吐き捨てるように言った。「クズ男ってさ、釣れば釣るほど引っかかる」

それから、やけに晴れやかな声で続ける。

「おめでとう。ついに川島治の『いい顔』、剥がせるね」

来栖琴音は、笑うべきか泣くべきか分からなくなった。

――何...

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