第81章 報い

川島千晶は、来栖琴音が黙り込んだのを見ると、グラスを持ち上げて促した。

「あなたも少し飲みなよ。力抜きなって。嫌いだけどさ、たまに可哀想にもなるんだよね。兄のために子ども守って、家守って……それで生きる意味まで失ってさ」

来栖琴音は、認めざるを得なかった。千晶の言葉は、図星だった。

川島治と一緒にいたこの十年。確かに、自分は惨めだった。

琴音が言い返せずにいると、千晶はさらに畳みかける。

「知らないでしょ。川島家って昔から男尊女卑なの。あんたが兄に女の子産んだ時点で、あいつらあんたのこと見下してた。兄は男の子が欲しい。でもさ、私が『あんたと作るな』って止めてたから。だから妊娠できな...

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