第87章 悪事がばれた

来栖琴音は咄嗟に顔をそむけて身をかわした。灰皿が床に叩きつけられ、ガシャンッと大きな破砕音が響く。破片が四方へ飛び散った。

オフィスにいた全員が、その光景に凍りついた。川島の母は眉間に深い皺を寄せ、重たくため息をつく。

「……なんて罰当たりな……」

「この中身が捏造かどうかなんて、あなたがいちばん分かってるでしょ」

来栖琴音はそう言い切ると、怯むことなく川島千晶の血走った視線を真正面から受け止めた。

「捏造よ! 来栖琴音、あんたみたいなクズが、よくも私を陥れたわね!」

吐き捨てると、千晶はすぐ川島治へ縋るように視線を向ける。

「お兄ちゃん、全部嘘だから!」

まだ言い逃れを続け...

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