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アダム視点

アダムを起こさないように、そっと慎重に寮のドアを閉めて中に入る。だが、二晩続けて俺の予想は外れた。アダムはもう起きていた。まあ、起きている、と言っていいのかはわからないが。

彼はベッドを背にして床に座り込み、まるで睡魔と勝ち目のない戦いを繰り広げているようだった。もし彼が眼鏡をかけていたら、今頃は滑稽なほどずり落ちていることだろう。

半分閉じていたその目が、俺が部屋に入ると完全に見開かれた。

「悪い……」俺は呟きながらドアに鍵をかける。「起こすつもりはなかったんだ」

「いや、大丈夫。ほとんど寝てなかったから」彼は無理やり目を開けて言う。「おかえり」

俺はサンダルを脱ぎなが...

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