休憩できない

エマーソン視点

ちくしょう、連中、アルを捕まえやがった!

物音のした方へ、階段を駆け上がる雷のような足音が響き、まるでホーミング信号に導かれるかのように、アルが再び悲鳴を上げた。俺はごくりと唾を飲み込む。この状況全体のストレスで全身が震えていた。

助けられない。八人から二十人はいるかもしれない相手に、こっちはポケットナイフ一本すら持っていない。しかも奴らはクソみたいな銃まで持っているんだ。

だが、ほんのわずかな一瞬、俺はためらった。奴らは彼を殺すと言った……。アルに死んでほしくない。本気でそう思う。

でも、俺にできることなんてマジで何もない。

だから俺は、うずくまっていた壁のすぐそ...

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