第101章 別モン

林田柊はシャンパングラスを手に、人だかりの中心に立っていた。

数人の投資家がまだ彼女を囲み、声のボリュームだけが競うように大きい。柊は適当に二、三言かわしながら、視線をホールの反対側へ滑らせた。

白鳥空弥はまだその場に立ち尽くし、顔色は重く沈んでいる。相馬祈が彼の腕に縋りつき、笑顔はもう引きつりかけていた。

少し離れた柱のそばでは、丹羽隼風がグラスを傾けながら、ちらちらとこちらを窺っている。今日、彼はTMテクで門前払いを食らい、ブラックリスト入りまでした。いま林田柊を見れば、逃げ出したいのが本音だろう。

「……あの女、心がえげつねえ」

隼風は隣の矢野慎介に、声を落として吐き捨てた。...

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