第110章 1位

林田柊は保温ボトルの蓋をひねり、水を飲んだ。

白鳥空弥はミネラルウォーターを持った手を宙で止め、数秒してからそれを引っ込める。キャップを締め直し、脇のテーブルへ無造作に置いた。表情は変わらない。だが、顎のラインの筋肉だけが、きゅっと硬くなる。

放送スピーカーから、また先生の声が響いた。

「続いて第3種目! お父さんたちのバスケット・ドリブルリレーです! お父さんはグラウンド中央にお集まりくださーい!」

白鳥北斗が興奮したまま白鳥空弥の手を引っ張る。

「パパ、バスケ! 1位とって!」

白鳥空弥は息子を見下ろし、短くうなずいた。

「いいぞ。1位だ」

立ち上がると、黒いカジュアルジ...

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