第111章 会社を言い訳にするな

校庭の人影は、少しずつほどけるように散っていった。

林田柊は一秒たりとも留まらない。踵を返して駐車場へ向かい、ハイヒールをコンクリートに打ちつける音だけを残して、足早に歩いていく。

白鳥空弥はその場に立ち尽くし、彼女の背中を見送った。呼び止めもしない。

これまで林田柊は、いつだって自分の一歩後ろにいた。なのに今は、彼女が前を歩いている。その事実が、ひどく居心地悪い。――もっとも、あれはただの意地だろう、と空弥は思う。

資金はまだ入っていない。TMテクの設備も届いたばかり。いずれ林田柊は、自力ではどうにもならない壁にぶつかる。結局、頭を下げて戻ってくるに決まっている。

白鳥北斗がトロ...

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