第118章 はっきり見える

古賀の大旦那様が一行を連れて、奥の庭へと入っていった。表の広間とは打って変わって、ここはずいぶん静かだ。

庭のしつらえは実に凝っている。使用人たちが盆を手に人の間をすり抜け、熱いお茶と、見目のいい菓子を次々と運んでくる。

今日の古賀の大旦那様は上機嫌だった。庭の中央に据えられた長机へ歩み寄ると、そこにはすでに紙が広げられている。大旦那様はもう二人の旧友へ顔を向け、皆で一緒に絵を描こうと持ちかけた。

「林田大奥様も、どうぞ」

古賀の大旦那様は祖母へ視線を移し、こちらから誘う。

「さっき絵の話を聞いて、ただ者じゃないと思った。今日はめでたい日だ。ひとつ筆を動かしてくれ」

祖母は遠慮し...

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