第119章 互角

木崎のおじさんは盤面を眺め、くつくつと笑って首を振った。手にしていた黒石を、そっと碁笥へ戻す。

「白鳥社長、さっきまで……わざと手加減してたんじゃないのかい?」

木崎のおじさんは白鳥空弥を見て、感心したように目を細めた。

「その布石だよ。最初はわざと弱く見せて、最後の一手でひっくり返す。いい歳した爺さん相手に、芝居まで付き合ってくれるとはね」

白鳥空弥は椅子の背にもたれ、肩の力を抜いたまま否定もしない。

「木崎さんの碁は攻めが鋭いですから。先に刃を避けただけです」

そのあとも二局、続けて打った。

今度の白鳥空弥は容赦がなかった。着手は速く、筋は冷たいほど整っている。三局続けて、...

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