第121章 余計な飾り物

碁盤の上、黒と白が交互に並ぶ。

庭は、息をひそめたみたいに静かだった。

石卓を挟んで向かい合う白鳥空弥と林田柊を、周囲が固唾をのんで見守っている。誰ひとり、言葉を挟まない。

目がある者なら、嫌でもわかる。二人の手には、噛み合いすぎるほどの呼吸があった。

白鳥空弥が一手置けば、林田柊は間を置かずに返す。林田柊の黒石が盤上に触れた瞬間、白鳥空弥の白石はもう次の場所を待っている。

そこには、他人が入り込めない磁場があった。

相馬祈は白鳥空弥の背後に立っていた。本当は、ここで目立つつもりだった。白鳥空弥がどれほど自分を大事にしているか、皆に見せつけるつもりで。

けれど今の自分は、ただの...

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