第36章 自意識過剰

電話の向こうの白鳥空弥の声には、見下すような傲慢さと、踏みつけられたことへの苛立ちが滲んでいた。

林田柊はそれを聞きながら、ばかばかしさに眩暈がしそうになる。

スマホを握り、鼻で笑った。

「白鳥空弥、被害妄想も大概にして。あなたが私を突き飛ばして転ばせたせいで、足を骨折した。なのに一度も振り向かなかった。池田さんは手を貸してくれただけよ。世界中があなたみたいに冷血だと思ってるの?」

白鳥空弥は一拍置いたが、声の硬さは変わらない。

「言い訳するな。展示会でわざと騒ぎを起こしたのも、俺に見てもらいたかったからだろ。男を連れてきて俺を苛つかせれば、俺が折れるとでも思ったか?」

胸の奥か...

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