第38章 もうどうでもいい

林田柊は杖を突き、白鳥グループの役員専用エレベーターから降りた。

給湯室の前を通りかかったとき、扉の向こうからひそひそ声が漏れてくる。

「ねえ、あの林田柊って、どうやって曾我京弥に取り入ったの? 前まで台所の前から動かない専業主婦だったんでしょ」

「さあね。業界から6年も離れて、いまさら『テクニカルエキスパート』気取ってさ。さっきのデータも、どうせ男に作らせたんじゃない?」

「だよな。曾我京弥クラスが、なんであんなの選ぶわけ? 裏で汚いことしたんだろ。ベッドの上が上手いとかさ。女が上に行く方法なんて、結局あれしかないじゃん」

くぐもった笑い声が、いやらしく弾む。

林田柊は扉の外で...

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