第45章 非情な女!

林田柊は踵を返し、廊下の向こうにある従業員用エレベーターへ向かった。

「チン」

扉が開く。

顔を上げた、その瞬間――足が止まった。

狭い箱の中央に、白鳥空弥と相馬祈が立っていた。

役員専用ではなく、わざわざこっちを使っている。

相馬祈は身体の大半をとろんと白鳥空弥の肩に預け、白鳥空弥の腕は彼女の腰のあたりに、守るように――けれどどこか遠慮がちに回されていた。

距離は、近すぎるほど近い。

呼吸まで重なりそうな、息の合った親密さ。

その光景を見た途端、林田柊の胸がきゅっと締まり、息が詰まった。

(……この男、本当に)

白鳥空弥の「演技」は、吐き気がするほど上手い。

さっき...

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