第51章 どの芝居を演じている?

林田柊は車の中で、受話器の向こうから聞こえてくるおじ様の言葉に、背中へ一気に冷たい汗がにじんだ。

相馬祈の叔母さんが、伊波家の裏手に別荘を一棟、現金一括で買ったという。しかも毎日のように近辺をうろつき、伊波家の噂を探っているらしい。

――ただの偶然なわけがない。投資目的で済む話でもない。

林田柊は心の中で冷笑した。相馬祈という女は、彼女の研究データを盗んで展示会でいい顔をしただけでは飽き足らず、今度は彼女の実家にまで狙いを定めたのだ。

白鳥空弥は相馬祈を持ち上げるために、白鳥グループの最上級のリソースも、南区の研究開発拠点も丸ごと与えた。それでもまだ足りないのか。

狙いは伊波家の人...

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