第61章 勘違いした

偽りの「家族写真」を撮り終えると、おばあ様は満足げに執事に支えられ、そのまま自室へ戻って休んだ。

林田柊はすぐさま白鳥空弥の腕を振りほどく。まるで彼の身体に、触れたらうつる病原体でも付いているみたいに。

一秒たりともここにいたくない。踵を返し、まっすぐ二階の主寝室へ向かった。

白鳥空弥も、彼女の後ろから部屋に入ってくる。

林田柊は自分のスーツケースを開け、手際よく洗面用具、スキンケア一式、着替えを取り出した。ひとつずつ、洗面台の右側にきっちり並べていく。

白鳥空弥のスーツケースには、指一本触れない。

以前なら、外出するたびに彼女は律儀な家政婦みたいになっていた。

白鳥空弥のシャ...

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