第68章 一幕の好芝居

林田柊の胸は、何かにぎゅっと握りつぶされたみたいに痛んだ。

わかっている。愛がなくなったなら、それまでだ。

林田柊はスマホを手に取り、松本佳子へそのまま返信する。

「週末、空いてる? 半島ホテルのオークション、チケット2枚取れた。一緒に行かない?」

送信した瞬間、松本佳子から秒で「衝撃」のスタンプが返ってきた。

その夜――白鳥空弥は、案の定帰ってこなかった。

林田柊はシャワーを浴び、広いダブルベッドに横になる。彼のために残していた常夜灯すら、つけないまま。

そして翌朝。

研究室に着いたばかりのタイミングで、スマホの画面がぱっと光った。

松本佳子からのLINEだ。

「本気で...

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