第79章 格差

曾我京弥が会社に戻ったときには、もう22時近かった。

林田柊と坂東宇一は、まだ帰っていない。

二人はローテーブルの前にしゃがみ込み、目の前にはぐつぐつ泡を立てる中華の小鍋。部屋中に、痺れるような麻辣スープの香りが充満していた。

曾我京弥はドアを開け、光景を一瞥した瞬間、口元がひくりと引きつった。

「お前ら、何食ってんだ。ここを厨房扱いするな」

「曾我さん!」坂東宇一がぱっと顔を輝かせ、箸を掲げる。「来てくださいよ。普通の鍋じゃないんです、火鍋(ひなべ)です! 中国の火鍋って、センマイ入れるとめちゃくちゃうまいんですよ。まだ入れてないんで、曾我さんの分、取っといたんです!」

曾我京...

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