第80章 会食

午後6時。研究室の灯りは、まだ落ちていなかった。

林田柊は最後の1行を打ち終えると、保存キーを押し、椅子の背にもたれて固まった首をゆっくり回した。

画面のデータはきれいに走り切っている。エラーはひとつも出ていない。完璧だ。

小会議室から出てきた曾我京弥が、印刷したレポートを指に挟んだまま室内を見渡し、

「今日はここまで。みんな、片づけて」

と声をかけた。

矢野慎介がノートPCを閉じ、立ち上がって大きく伸びをする。ぐるりと一周、顔を見回してから言った。

「みんな、お疲れ。俺がおごるよ。下の店、ちょっと寄っていかない?」

真っ先に反応したのは坂東宇一だ。

「行く。腹減りすぎて死...

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