第88章 まだ甘いな

白鳥空弥は秘書を連れて、こちらへ歩いてきた。

白鳥空弥は脇に立つ加賀伊吹をまるで視界に入れず、林田柊の顔だけを見据える。

「鍵を出せ」

林田柊は壁にもたれ、鼻で笑った。

「白鳥社長が真夜中に病院まで来てまで欲しがるのが、ただのゴミみたいなコードってわけ?」

「林田柊。俺は付き合ってる暇がない。お前がシュンドゥのコアリポジトリをロックしたせいで、テストプロジェクトが全部止まってる。鍵を渡せ。……何もなかったことにしてやる」

「やれるもんなら訴えれば? 裁判官が私に職務上横領を言い渡すか、それとも――あんたが浮気相手に企業機密を盗ませたのを黙認したって判断するか、見ものね」

白鳥空...

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