第9章 削除した?

白鳥空弥はオフィスでスマホの画面を見つめたまま、しばらく呆然としていた。

電源オフ。

……彼女、電源を切ってる。

空弥はスマホを机に置き、こめかみを指で押さえる。胸の奥に張りついた、言葉にできない苛立ちをねじ伏せて、目の前の書類へ視線を戻した。

夜、帰宅してスリッパに履き替えた途端、白鳥北斗が駆け寄ってきて、空弥のズボンの裾にしがみつく。

「パパ! ボクのトランスフォーマーどこ? 青いやつ! 光るやつ!」

「トランスフォーマー?」

「この前ママが海外から買ってきてくれたやつ!」北斗は顔を真っ赤にしている。「明日、学校でみんなに見せたいのに、ずっと探しても見つかんない!」

空弥...

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