第91章 彼女をぶつけた

白鳥本家のリビングには灯りがついていた。

白鳥婆さんはリクライニングチェアに腰を沈めている。

白鳥空弥は右手のソファに座り、ネクタイを半分ほど緩めたまま、顔を陰らせていた。

林田柊が入ってくる。挨拶もなく椅子を引き、どさりと腰を下ろした。

「礼儀も知らない子だね!」婆さんが怒鳴る。「街中で空弥の車を止めて、白鳥家の帳簿を調べるだなんて言い出して……林田柊、誰がそんな度胸をつけた!」

林田柊は背もたれに体を預け、婆さんを見ようともしない。

「夫婦の共有財産を横領して、浮気相手に宝石だの別荘だの買ってる。帳簿を確認して何が悪いんですか。恥だと思うなら、飲み込んだ分を吐き出させればいい...

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