第127章 南斗兄さんはバーであなたを一晩中探していた

望月詩織の心は、彼のその警戒心に満ちた様子を見て、一瞬にして沈んでいった。

昨夜、沙奈から篠崎千謙がバーで女の子を抱えて出ていくのを見たと聞かされた時、彼女はまだ信じられなかったのだ。

篠崎千謙がホテルに滞在していることを突き止め、こうして駆けつけた。

まさか本当だったなんて!

望月詩織は、自分が一方的に篠崎千謙の母親に取り入り、彼との婚約話があるという情報をわざと外部に流していることは自覚していた。すべては、彼と一緒になる機会を得るためだ。

だが、篠崎千謙がずっと自分に冷淡であることも、心の中では分かっていた。

篠崎千謙は冷たく望月詩織を見つめ、何も言わない。彼女もそれ以上前に進...

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