第166章 もう少しでキスしそうだった

檸檬は沙奈を見つめた。今の望月家は本当に体面を気にしているらしい。

沙奈は長い間言葉を詰まらせ、一言も発することができなかった。

檸檬は少し苛立ちを覚える。「結局、言うの? 言わないの?」

「この間の拠点でのこと、大勢の前であなたに恥をかかせるべきじゃなかった。あれは確かに私が悪かったわ」

沙奈は目を閉じ、一息にそう言い切った。

辺りは静寂に包まれる。

ほとんど全員の目が飛び出さんばかりだった。あの沙奈が公衆の面前で謝罪するなんて?

しかも、相手は檸檬だ!

商学部の沙奈が、初日から檸檬と揉め事を起こし、学校全体で彼女を孤立させるようにと言い放ったことを知らない者はいなかった!

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