第191章 そうでなければ、東弥兄さんが私にお願いしてね

千謙の正体は、どうも謎めいているようだ。

檸檬がそう尋ねた後、向こうはずっと黙っていた。

彼女は探るように口を開いた。「もしかして、聞いちゃいけないことでしたか?」

まさか、千謙の正体は本当に秘匿事項なのだろうか。

「いやいや、檸檬ちゃん、そういうわけじゃないんだ。これは彼に直接聞いた方がいいと思ってね。こっちはこれから会議があるから、一旦切るよ」

楓は電話を切った後、背筋がぞっとした。

檸檬ちゃんは一筋縄ではいかない。

彼は慌てて千謙に電話をかけた。事前に口裏を合わせておかないと後でボロが出てしまう。

兄弟として手伝えるのはここまでだ。

女子大生を囲っているという濡れ衣ま...

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