第235章 北斗兄さんにお願いしてもダメなのか

檸檬は、北斗が怪我を負った後の顔を初めて目にした。

以前、警察署の前で一度見かけたことはあったが、その時の北斗の顔にはまだガーゼが巻かれており、実際のところがどうなっているのかは全く分からなかった。

今回は、はっきりと見えた。

北斗の頬にある傷跡は長く、すでに増殖が始まっており、盛り上がった赤い肉がことさらに禍々しく目立っていた。

芸能界で生きる北斗のような人間にとって、これは壊滅的な打撃だ。

しかも、顔の傷はおそらくかなり深く、修復するのもそう簡単ではないだろう。

オフィスはひどく静まり返っていた。

北斗自身もひどく落ち込んでいる様子で、ビロードの箱を取り出すと、机の上に置いて...

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