第256章 彼女は今や火薬桶だ

檸檬が玄関へ向かうと、東弥が追いかけてきた。

「檸檬、待て!」

「言ったことを守らないのでしたら、ここに残る必要もありません」

檸檬は少しも顔を立てなかった。

東弥の顔色が変わる。無理やり言葉を捻り出した。「さっきのは俺の聞き間違いだったようだ。お前が手を出したと誤解していた」

もしこのタイミングで檸檬に去られたら、北斗と琉生の件はどうなる? その責任など負いきれない。

檸檬は冷ややかに口の端を上げた。「聞き間違いですか。それとも、誰かさんがわざと間違ったことを言ったのでしょうか?」

東弥の声のトーンがぐっと低くなる。「それが重要か?」

「重要ですよ。昔は兄さんたち、いつもなあ...

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