第278章 今回は跪いても無駄だ

檸檬は、湘子の後ろめたそうな様子を見て、冷たく口を開いた。

「スマホ、返して」

「だめ、警察には通報しないで」

湘子は東弥の方を振り向き、懇願した。

「東弥兄さん、私、こういうことには疎くて……リベートを受け取るのは普通のことだって、取引先が言ったんです。でも、まさか期限切れの商品を送ってくるなんて……」

東弥は、思わず湘子の頬を張った。

「お前には心底がっかりした。リベートを受け取るなんて、高坂家がいつお前の待遇を悪くしたっていうんだ?」

東弥は怒りで気が狂いそうだった。

これでは檸檬の前で、どうして面目が保てようか。

平手打ちを食らってもなお、湘子は泣きながら訴えた。

「東弥兄さん、私、一...

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