第287章 高坂檸檬、お前に顔をやったんだよな?

檸檬は霧人を一瞥し、いとも簡単にその指をこじ開けた。

霧人の手は痛みに震えていた。彼は驚愕の表情で自分の手を見つめた。檸檬にこれほどの力があるとは思いもよらなかったのだろう。

霧人は隣に湘子がいることに気づき、途端に面目を失ったと感じた。

彼は檸檬の鼻先に指を突きつけて罵る。「檸檬、いい気になりやがって。お前のせいで、俺の足がこうなったんだろうが! それでもまだ俺に恥をかかせる気か!」

檸檬はフンと鼻で笑った。「ずっと思ってたんだけど、霧人兄さん。脚を切断したとき、一緒に脳みそも切り取っちゃったんじゃない?」

彼女の記憶では、霧人兄さんは事故に遭う前は、もっとまともだったはずだ。

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