第301章 このドレスを脱ぎなさい

檸檬は赤ワインで汚れたドレスを一瞥した。

彼女の顔に浮かぶ笑みが、一層深くなる。「湘子、あなたの手口は相変わらず稚拙ね」

ぶりっ子は、このドレスが手に入らないと悟るや、手段を選ばず汚してでも、その罪を自分になすりつけようとしている。

「檸檬姉さん、わざとやったんでしょう。私にこのドレスを汚させて、東弥兄さんが中村家のご令嬢に顔向けできなくさせたいのね?」

「自分がこのドレスを手放せないと分かって、いっそ汚してしまおうとしたくせに……」

檸檬の言葉は、最後まで紡がれなかった。何者かが彼女めがけて赤ワインを浴びせかけたのだ。

檸檬は顔を拭い、霧人がグラスを手にしているのを目にした。よ...

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