第313章 真心と真心を交換できるのか?

檸檬の顔が、じわりと熱を帯びた。

千謙から一通のメッセージが届く。『別れるなんて同意しない。ずっと待ってる』

檸檬はトーク画面を閉じ、車の窓の外へと視線を移した。せっかく落ち着いた心が、またさざ波を立て始める。

千謙が身分を隠していたのは、自分に対して本気ではなかったからだと思っていた。

けれど彼はさっき、大勢の前で、詩織に婚約のことをはっきりと否定してくれた。

詩織がその場で泣き崩れるのを檸檬は見ていた。

その時、果歩が口を開いた。

「檸檬、彼氏と……ううん、元カレとはどうなったの?」

「今のところは、まあ、こんな感じ」

「でも、彼の心の中にはまだあなたがいると思うよ。さっき...

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