第324章 兄貴の目論見が外れた

檸檬は顔を上げ、東弥を見上げた。その瞳には、隠そうともしない嘲笑の色が満ちていた。

東弥の視線が、わずかに後ろめたさに泳ぐ。

「お前が不満に思っているのは分かっている。だが、俺が埋め合わせはする」

「埋め合わせなんて、お断りよ。私に頭を下げさせて、自分だけ甘い汁を吸おうだなんて……そんな虫のいい話があるわけないでしょう?」

檸檬は東弥をドンと突き放すと、きびすを返して歩き出した。

その傍らで、果歩が口を開く。

「さっき、どこかの誰かさんは『檸檬は家族と縁を切った』なんて言っていたくせに。檸檬ちゃんが役に立つと分かった途端、家族扱い? 周りの人間をみんな馬鹿だと思ってるのかしら」

その...

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