第341章 篠崎の若様、頭を下げて優しくなだめる

耳元に、彼の荒く低い吐息がかかる。

檸檬の心臓がドクリと跳ね、シーツを掴む指に力がこもった。

千謙は小首を傾げ、愉しげに笑う。

「何を逃げている?」

「逃げないわけがないでしょう? こんなの、ただのセクハラです」

檸檬の声が微かに震える。

千謙は少しだけ身を起こし、彼女の顔をじっくりと見つめた。

「俺たちの関係なら、これはセクハラじゃない。愛を深めるスキンシップだ」

彼女は自分の彼女なのだから、キスぐらいさせてくれてもいいだろう——とでも言いたげだ。

檸檬は顔を上げて問い詰める。

「千謙、言いましたよね? 私はあなたに『別れる』って言いました。もうそういう関係じゃありません」

「...

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