第350章 篠崎家の若様だからな

檸檬は顔を横に向け、千謙の姿を認めると、ふっと笑みをこぼした。

彼が、来てくれた。

だが、東弥は鼻で笑った。

「檸檬、助っ人を呼ぶなら、もう少しまともな奴を選べよ。こんな役立たずを呼んでどうするつもりだ?」

権力も金もない男が来たところで、何の役にも立たないだろう。

その言葉を聞いて、檸檬は思わず声を上げて笑った。

「どうやら中村夫人は、あなたに本当のことを話していないようですね」

「……どういう意味だ?」

東弥は千謙の手を振り払い、振り返ったが、そこに中村夫人の姿はなかった。

彼はただ、奇妙な違和感を覚えた。

「つまり、あなたが提出したいわゆる特許申請書は、ただの外観に関する...

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