第351章 兄貴、今度はあんたが見下される番だ

檸檬はその場に立ち尽くし、生まれながらにして天に愛されたその男を見つめていた。

傍らにいる東弥は頭が真っ白になり、呆然と先ほど発言した責任者を見やる。

「今……なんと言った?」

千謙が、誰だって?

湘子は信じられないといった様子で口を開く。

「あの人が、篠崎家の若様だなんて……。あ、そういえば確かに名字は同じ篠崎ですけど……」

だが、そんな馬鹿な話があるはずがない。

千謙はただの貧乏医師ではなかったか? それが篠崎家の若様だなんて。そんな雲の上の存在が、檸檬ごときを相手にするわけがない。

霧人もまた、呆然と呟く。

「世の中に篠崎なんて苗字は五万といるんだ。まさか全員が財閥の若様って...

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