第357章 高坂家の人間が取り乱す姿を見るのが好き

檸檬は、苦虫を噛み潰したような顔をしている東弥を見据えた。

「檸檬、俺が悪かった。謝る」

ここまで来てしまっては、東弥もその屈辱を飲み込むしかなかった。

檸檬は財産分与の書類に目を落とし、言った。「もう一つ条件があるわ。この別荘の名義を、私に変更して」

霧人が食い気味に口を挟む。「ふざけるな! ここは将来、俺と湘ちゃんが暮らす愛の巣になるんだぞ!」

愛の巣、だって? よくもまあ、恥ずかしげもなく言えるものね。

檸檬は東弥に向き直った。「これが最後の付帯条件よ。別荘を私に譲ること。それから、高坂グループの新製品発表の時期を、私たち株式会社カエデより一ヶ月遅らせること」

「別荘は譲ろ...

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