第367章 兄の目論見は外れる

檸檬の瞳が、すうっと暗く沈んだ。湘子が結婚するというのなら、とびきりの『祝い』を贈ってやらなければならない。

長兄がこれほど急いで湘子と霧人の縁談を進めるのは、安心を買いたいからだろう。湘子を身内に取り込んでしまえば、財産に関しても多少は枕を高くして眠れると考えているに違いない。

兄の目論見は手に取るようにわかる。

だが残念なことに——その目論見は、無惨に外れることになる。

檸檬はスマートフォンのグループチャットに目を走らせた。今夜は高坂家の別荘で、とんだ見世物が繰り広げられるようだ。

彼女は申し訳なさそうに陽介を見た。

「今夜、少し用事があるの。戦術については、皆で話し合っておい...

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