第373章 刀は既に全員の首に架かっている

檸檬がそう言い放つと、湘子は怒りで顔を歪めた。

土下座なんて、死んでもしたくない。

檸檬は優雅にソファーの背もたれに身を預ける。

「どうかしら。割のいい取引だと思うけれど?」

湘子は助けを求めるように霧人を見た。

「霧人兄さん、見てよ……」

檸檬は冷ややかに告げる。

「どうせ霧人と結婚するなら、私の両親に挨拶するとき土下座するでしょう? それを今、前払いするだけのことよ」

それを聞いた南斗は、ふむと頷いた。

「檸檬の言う通りだな。どうせ土下座して挨拶するんだ。今、予行演習したところで何の問題もないだろう」

湘子はたまらず泣き声を上げた。

「でも、今ここで土下座なんてしたく...

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