第376章 ぶりっ子はもう演じきれない

檸檬がその言葉を口にすると、湘子は目を見開き、愕然とした表情を浮かべた。

湘子はまるで幽霊でも見るかのような目で檸檬を凝視する。なぜ、この女が父親の生存を知っているのか?

いつの間に知った?

檸檬は何を調べ上げたというの?

湘子の胸に、途方もない危機感が押し寄せる。先ほどようやく安堵したばかりだというのに、一瞬にして奈落の底へと突き落とされた気分だった。

湘子は狼狽した。

一方、東弥の頭の中は真っ白になっていた。

彼は信じられないといった面持ちで檸檬を見る。

「湘子の父親が生きてるだと? そんな馬鹿な」

「わたくしがこの目で見たからです。湘子が、とうの昔に死んだはずの父親と密...

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