第387章 芝居を打つなら徹底的に

檸檬はエレベーターの外にいる詩織の姿を認め、わずかに瞳を細めた。

まさか望月家の人間がこれほど早く現れるとは。

詩織は母親を案じているようだが、檸檬は幼い頃、その望月家のせいで両親を失っているのだ。

檸檬は自ら口を開いた。

「詩織さん、お母様が行方不明になられたと伺いましたが、見つかったのですか?」

その言葉を耳にした詩織は、人知れず奥歯を噛み締めたが、檸檬に取り合うことはしなかった。

詩織は一歩踏み出し、縋るような視線を千謙に向けた。

「篠崎おば様が人をよこしてくれたけど……千謙さん、一緒に探してくださらない? 今、頼れるのはあなただけなんです」

千謙は顔を横に向け、檸檬を見...

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