第396章 こんな状況も起こりうるのか

湘子自身も、この子が本当に霧人の子であるか、確信が持てないでいた。

だが、この状況で身を守るためには、何が何でも「霧人の子だ」と言い張るしかない。

湘子は慌てて腹部を押さえ、必死に訴える。

「まだ三ヶ月にもなってないし、DNA鑑定なんて無理よ」

少しでも時間を稼げればそれでいい。

もし病院で精密な検査を受ければ、不都合な真実が露呈するかもしれないのだから。

そのわざとらしい猫なで声と、何かを隠そうとする態度を見て、檸檬はピンときた。おそらく、この女自身も父親が誰なのか分かっていないのだ。

だとしたら、十中八九、高坂家の血筋ではないだろう。

つい先ほど、霧人は自身の体調不良を訴え、体...

ログインして続きを読む